「うちは火災保険に入っているから大丈夫」。災害の話をすると、そう答える方は少なくありません。もちろん、火災保険に加入していることは大切な備えです。しかし、ここで注意したいのが、「加入している=どんな災害でも補償される」ではないということです。
火災保険は、契約している商品や補償内容によって、対象となる事故や支払条件が異なります。日本損害保険協会も、火災保険では火災だけでなく、風災、水災、雪災、落雷、盗難などを補償する商品がある一方、補償範囲は保険の種類によって異なると説明しています。
では、どんなところに「落とし穴」があるのでしょうか。

落とし穴①「火災保険だから水害も大丈夫」とは限らない
台風や大雨による被害が増える中で、特に確認したいのが「水災」の補償です。
例えば、大雨による洪水や床上浸水、土砂災害などは、契約に水災補償が付いているかどうかによって扱いが変わります。つまり、火災保険に加入していても、水災補償が付いていなければ、想定していた水害の被害が補償されない可能性があります。
「近くに大きな川がないから大丈夫」と決めつけるのではなく、自宅周辺のハザードマップなども確認しながら、必要な補償を考えることが大切です。
落とし穴②「建物」は補償されても「家財」は別
火災保険では、「建物」と「家財」を分けて契約するのが一般的です。
屋根や外壁、床などの建物に保険を付けていても、家具やテレビ、冷蔵庫、衣類などの家財まで自動的に補償されるとは限りません。
例えば、床上浸水によって家具や家電が大きな被害を受けた場合、家財の補償がなければ、その損害について保険金を受け取れない可能性があります。
保険証券を確認するときは、「建物に入っているか」だけでなく、「家財はどうなっているか」もチェックしましょう。
落とし穴③「地震による火災」は火災保険では補償されない
意外と知られていないのが、地震による火災です。
通常の火災保険では、地震・噴火・津波を原因とする火災や損壊などは補償されません。地震による損害に備えるには、火災保険に地震保険をセットする必要があります。
「火災保険に入っているから、地震で火事になっても大丈夫」と思っていると、いざというときに大きな違いが生じます。
落とし穴④「保険金が出る」と思っていた損害が対象外になることも
災害による損害なら何でも保険金が出るわけではありません。
例えば、経年劣化や自然な消耗、さび、カビなどによる損害は、火災保険の一般的な補償対象とはならない場合があります。また、風災や水災についても、商品によって一定額以上の損害や一定の条件を満たすことが必要な場合があります。
「壊れているから保険で直せる」と考えるのではなく、何が原因で壊れたのかを確認することが重要です。

いま一度、保険証券を確認しましょう
火災保険は、加入したときに内容を確認して終わりではありません。
住宅の状況が変わったり、家財が増えたり、地域の災害リスクを改めて考えたりしたときには、現在の補償内容が自分の暮らしに合っているか確認してみましょう。
チェックするポイントは、
・建物と家財、どちらが補償対象になっているか
・風災、雪災、水災など必要な補償が付いているか
・免責金額はいくらか
・保険金額は十分か
・地震保険を付けているか
・保険金の支払条件にどのような制限があるか
です。
保険は「入っていること」そのものが目的ではありません。災害が起きたときに、自分の家に必要な補償がきちんと用意されていることが大切なのです。
「火災保険に入っているから安心」ではなく、
「何が、どこまで、どんな条件で補償されるのか」
まで知っておくこと。それが、本当の意味での「保険を活用する準備」になります。
災害が起きてから慌てないためにも、今日一度、保険証券を開いてみてはいかがでしょうか。


