保険金を受け取ったのに修理しないとどうなる?「損害防止義務」とは

規約・違反
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「台風で屋根が壊れ、火災保険の保険金を受け取った。でも、今すぐ修理しなくても大丈夫だから、そのままにしている」

もし、この状態で次の大雨が降ったらどうなるでしょうか。

「一度保険金をもらったから、また被害が出ても保険で直せる」と考えてしまうのは危険です。

火災保険には、事故が起きた後に損害の発生や拡大を防ぐよう努める「損害防止義務」という考え方があります。

「損害防止義務」とは?

損害防止義務とは、保険事故が発生したことを知ったときに、その事故による損害の発生や拡大を防ぐよう努めることです。

これは保険法第13条にも定められています。日本損害保険協会によると、一般的な保険約款でも、損害の発生・拡大を防止するよう努めることが定められており、正当な理由なく義務に違反した場合には、損害の発生・拡大を防止できたと認められる額を損害額から差し引く旨が規定されているのが一般的です。

つまり、災害で住宅が壊れたら、「その後の被害をできるだけ広げない」ということが大切なのです。

例えば、こんなケースです

台風で屋根瓦が破損したとします。

その時点で保険金を受け取りましたが、修理をせず、そのまま放置しました。

その後、大雨が降り、破損した屋根から雨水が侵入。天井や壁、床まで被害が広がってしまいました。

この場合、最初の台風による損害と、その後の大雨によって拡大した損害を分けて考える必要が出てくる可能性があります。

特に、「屋根の破損を放置したことによって被害が拡大したのではないか」という点が問題になることがあります。

だからこそ、「保険金を受け取ったから、あとはそのままでいい」ではないのです。

「保険金を受け取ったら必ず修理」がルールではありません

ここは誤解しやすいポイントです。

損害防止義務があるからといって、保険金を受け取ったら、必ず一定期間内に本格的な修理をしなければならない、という単純な意味ではありません。

例えば、工事業者の手配に時間がかかる場合や、修理方法を検討している場合など、さまざまな事情があります。

重要なのは、損害を放置して、被害をさらに大きくしないことです。

屋根の破損によって雨水が入りそうなら、必要に応じて応急処置をする。

割れた窓から雨が入るなら、必要な対策をする。

そして、「すぐに修理できないが、どう対応すればよいか分からない」という場合は、保険会社や代理店に相談することが大切です。

「保険金をもらった後の記録」も大切

災害後は、修理前の写真だけでなく、応急処置をした場合の状況や、実際に修理した内容も記録しておきましょう。

見積書、請求書、領収書なども保管しておくと、後から修理内容を確認するときに役立ちます。

また、修理をすぐに行わない事情がある場合には、「なぜ修理していないのか」「どのような応急処置をしているのか」を保険会社や代理店に相談しておくと安心です。

一番怖いのは「被害の放置」

住宅の損害は、時間が経てば自然に元へ戻るとは限りません。

屋根の小さな破損が雨漏りにつながり、雨漏りが天井や壁の内部にまで広がれば、最初よりも大きな修繕が必要になることがあります。

だからこそ、災害後は、

「保険金が出たから安心」ではなく、
「これ以上被害を広げないことが大切」

という意識を持つことが重要です。

災害後に覚えておきたい5つのポイント

災害で住宅に被害が出たら、次の流れを意識しましょう。

①安全を確保する
②被害状況を写真・動画で記録する
③保険会社・代理店へ連絡する
④被害が拡大しないよう必要な応急処置をする
⑤修理について相談し、記録や書類を保管する

火災保険は、災害によって生じた損害から生活を立て直すための大切な仕組みです。

しかし、保険金を受け取ったことだけで問題が終わるわけではありません。

「受け取った後こそ、被害を広げない」

これが、損害防止義務を理解するうえでの大切なポイントです。

災害が起きたとき、そして保険金を受け取った後に「どうすればいいの?」と迷ったら、自己判断で放置せず、保険会社や代理店に相談しましょう。

なお、損害防止義務の具体的な取り扱いは、加入している保険の約款によって異なる場合があります。自分の契約内容を確認しておくことも、災害への大切な備えです。

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