災害への備えとして、まず思い浮かぶものの一つが「非常食」です。
地震や台風、大雨、大雪などによって、道路が通れなくなったり、物流が一時的に止まったりすると、スーパーやコンビニの商品が不足することがあります。また、停電や断水が発生すれば、普段と同じように食事を作ることも難しくなります。
そんなとき、家に非常食があるかどうかは、家族の安心に大きく関わります。
「少し買ってあるから大丈夫」と思っていても、いざ災害が起きたとき、家族全員が数日間生活できる量があるでしょうか。非常食は、「ある」だけではなく、「充分にある」ことが重要です。

■ まずは「何人分あるか」を確認
非常食を準備するとき、最初に確認したいのが家族の人数です。
大人だけでなく、子どもや高齢者、ペットがいる家庭では、それぞれに必要なものが異なります。家族の人数と年齢、普段の食事量などを考えながら準備しましょう。
災害時の備蓄は、最低でも数日分を目安にし、できれば一週間程度を想定しておくと安心です。
例えば、家族4人なら「4人分×必要日数」で考えます。水についても同じです。食料だけを大量に用意しても、水が不足すれば生活は難しくなります。
飲料水に加えて、調理や衛生面で使用する水についても考えておきましょう。
■ 非常食は「食べやすさ」も大切
非常食というと、保存期間の長い缶詰や乾パン、アルファ化米などを思い浮かべます。しかし、災害時に必要なのは「長く保存できる食品」だけではありません。
電気やガスが使えない可能性を考え、調理せずに食べられるもの、少ない水で準備できるもの、温めなくても食べられるものなども用意しておくと便利です。
また、同じ食品ばかりでは、食べること自体が負担になってしまうことがあります。
レトルト食品、缶詰、乾麺、フリーズドライ食品、栄養補助食品、お菓子など、種類を分散させておくと、食事に変化をつけることができます。
特に、普段から食べ慣れている食品を備蓄しておくことはおすすめです。災害時だからこそ、いつもの味が心の支えになることがあります。
■ 「ローリングストック」を活用しよう
非常食を無理なく備える方法として、「ローリングストック」という考え方があります。
これは、普段から食べる食品を少し多めに購入しておき、古いものから食べ、食べた分を買い足していく方法です。
例えば、レトルトカレーや缶詰、インスタント食品、飲料水などを少し多めに購入します。そして、賞味期限が近いものから普段の食事で使用し、新しいものを補充します。
この方法なら、非常食を特別に管理する負担を減らすことができます。また、賞味期限切れを防ぎながら、常に一定量の食品を家庭に確保できます。
■ 「食べる」ための道具も忘れずに
食品を準備していても、それだけでは十分ではありません。
停電や断水を想定し、カセットコンロ、ガスボンベ、紙皿、紙コップ、割り箸、ラップ、ウェットティッシュなども準備しておきましょう。
ラップは食器に敷いて使えば、洗い物を減らすことができます。ウェットティッシュは、断水時の衛生管理にも役立ちます。
さらに、乳幼児用の食品、アレルギー対応食品、高齢者が食べやすい食品など、家族それぞれの事情に合わせた備蓄も必要です。

■ 災害が起きてからでは遅い
災害が発生すると、「必要なものを買いに行けばいい」と考えるかもしれません。しかし、大規模災害では、店舗の営業停止や品不足、交通網の混乱などによって、必要なものをすぐに購入できない可能性があります。
だからこそ、平穏な今のうちに準備しておくことが大切なのです。
非常食は、特別なものを大量に買い込む必要はありません。まずは家族の人数を確認し、必要な日数を考え、普段食べるものを少しずつ増やすことから始めてみましょう。
そして、一度準備したら終わりではありません。定期的に賞味期限や在庫を確認し、家族構成や季節に合わせて見直していくことも重要です。
「何かあったら買えばいい」ではなく、「何かある前に用意しておく」。
災害時に食べるものがあるという安心は、家族の心にも大きな支えになります。
今日の買い物から、少しずつ始めてみませんか。
充分な非常食の備蓄は、災害から家族の命と暮らしを守る、大切な防災対策です。


