トンネル内で事故が発生した場合、閉鎖空間・視界不良・煙や有毒ガスの滞留などにより、地上事故よりも命の危険が高まります。実際に国内外では、追突事故や火災、車両故障をきっかけに多数の犠牲者が出た事例もあります。ここではトンネル内事故に遭遇した際の具体的な対処策を、発生直後・避難時・事後対応の段階に分けて解説します。

事故発生直後に取るべき行動
まず最優先は二次事故の防止です。
・可能であればハザードランプを点灯
・エンジンを停止
・後続車に異常を知らせる
トンネル内では発煙筒の使用は煙が視界を悪化させるため、管理者の指示がない限り控えます。車を動かせる場合でも、自己判断で走行を再開しないことが重要です。
車内待機か、避難かの判断
事故直後は、原則として車内待機が基本です。特に小規模な追突事故や故障の場合、勝手に車外へ出ると後続車にはねられる危険があります。
ただし、以下の場合は速やかな避難が必要です。
・車両火災が発生、または煙が充満
・有毒ガスの臭いを感じる
・管理者や放送で避難指示が出た場合
避難する際の正しい行動
避難が必要な場合は、車両を離れ、人命優先で行動します。
・キーを付けたまま車を離れる
・貴重品にこだわらない
・高齢者・子どもを優先
トンネルには**非常口(横坑・避難連絡路)**が一定間隔で設けられています。緑色の誘導灯や非常口表示に従って、壁際を歩き、低い姿勢で移動します。煙がある場合は、口と鼻をハンカチや衣類で覆います。
やってはいけない行動
トンネル事故で命を落とす原因の多くは、誤った行動です。
・反対車線へ飛び出す
・逆走して出口を目指す
・写真撮影や荷物回収
・大声でパニックを起こす
特に火災時は、煙による一酸化炭素中毒が最大の脅威です。「見えない・臭わない」状態でも命の危険があることを忘れてはいけません。
事後対応と心構え
安全な場所に避難した後は、管理者・警察・消防の指示に従うことが重要です。勝手にトンネル内へ戻ることは厳禁です。
また、日頃から
・非常口の存在を意識する
・ラジオや非常用ライトを車に常備
・トンネル内では車間距離を十分に取る
といった備えが、被害を最小限に抑えます。

トンネル事故は「知っているかどうか」で生死が分かれる
トンネルは便利なインフラである一方、事故が起きると極めて危険な空間になります。正しい知識と冷静な判断があれば、助かる命は確実に増えます。万一に備え、「自分ならどう行動するか」を平時からイメージしておくことが、最大の対処策です。


