大規模地震や台風、豪雨などの災害が発生すると、マンション高層階が孤立する事態は決して珍しくありません。停電によるエレベーター停止、断水、通信障害、道路寸断が重なると、高層階の住民は外部支援を受けにくく、心身ともに大きな負担を強いられます。ここでは、マンション高層階で孤立した場合の具体的な対処策と、事前に備えておくべきポイントを詳しく解説します。

1.マンション高層階が孤立する主な要因
高層階特有のリスクとして、次の点が挙げられます。
・停電によりエレベーターが長時間停止する
・断水でトイレや飲料水が確保できない
・携帯基地局の停止や回線混雑による通信障害
・階段移動が困難な高齢者・要配慮者の存在
特に10階以上では、「降りたくても降りられない」状況が発生しやすくなります。
2.孤立した直後に取るべき行動
① 自宅の安全確認
まず室内の被害を確認し、倒壊・落下の危険がないかを点検します。ガス臭がする場合は元栓を閉め、電気器具はコンセントから抜きます。
② 無理に外へ出ない
エレベーターが停止している間に、不用意に階段で避難しないことが重要です。余震や停電復旧時の誤作動で事故につながる可能性があります。
③ 管理組合・自治体情報の確認
掲示板、館内放送、防災無線、携帯の災害情報アプリなど、複数の手段で情報を収集します。
3.生活維持のための具体的対処策
① 水と食料の管理
高層階では給水ポンプが停止すると水が出ません。
・飲料水は1人1日3リットルを目安に最低3~7日分
・非常用トイレを使用し、トイレの水は流さない
② トイレ対策
断水時に通常トイレを流すと、配管詰まりや逆流が発生します。凝固剤付きの簡易トイレを使用します。
③ 暑さ・寒さへの対応
夏は窓を開けて風を通し、直射日光を遮ります。冬は重ね着や毛布を活用し、一室に集まって体温低下を防ぎます。
4.高齢者・要配慮者への配慮
高層階では、体力差が命に直結します。
・近隣住民で声を掛け合い安否確認
・薬の不足がないか確認
・階段移動が必要な場合は複数人で補助
日頃から「顔の見える関係」を作っておくことが重要です。
5.事前に備えておくべき準備
① 高層階用の備蓄
・水・食料(エレベーター停止を想定し多めに)
・携帯トイレ
・ヘッドライト、モバイルバッテリー
・カセットコンロ
② 管理組合との連携
非常用発電機の有無、給水計画、救援ルートを事前に確認します。
③ 家族・知人との連絡ルール
「無理に帰宅しない」「一定時間後に安否確認」など、行動ルールを共有しておきます。

6.「高層階だから安全」は誤解
マンション高層階は耐震性が高い一方で、ライフライン停止時の脆弱性を抱えています。孤立を前提にした備えと、冷静な初動対応が、命と生活を守る最大の鍵となります。日常から備えを見直し、「その時」を想定した行動計画を整えておきましょう。


