住宅や建物の**電気配線の老朽化によるショート(短絡)**は、目に見えにくい一方で、火災や感電事故の大きな原因となります。特に築年数の古い住宅や、後付け配線が多い環境ではリスクが高まります。ここでは、老朽化した配線ショートが起こる原因を整理し、事故を防ぐための予防策と、実際にショートが発生した場合の正しい対処法を分かりやすく解説します。

老朽化した配線ショートが起こる主な原因
配線ショートは、以下のような要因が重なって発生します。
・被覆(絶縁体)の劣化・硬化・ひび割れ
・ネズミなどによるかじり被害
・長年の使用による接続部の緩み
・許容量を超える電気使用(タコ足配線)
・湿気や水漏れによる漏電
築30年以上の住宅では、当時の電気使用量を前提とした配線のため、現代の家電需要に対応できていないケースが多く見られます。
配線ショートを防ぐための予防策
① 定期的な点検と更新
電気配線は半永久的ではありません。分電盤やコンセント周りに焦げ跡や異臭、発熱がないかを定期的に確認します。異常があれば早めに電気工事士による点検・交換を行います。
② タコ足配線を避ける
延長コードや電源タップの多用は、過電流による発熱を引き起こします。大型家電(電子レンジ、エアコン、IHなど)は専用回路を使用し、電源タップは定格容量を守ります。
③ 古いコード・機器の交換
被覆が硬くなったり、ひび割れたコードは使用を中止し、速やかに交換します。特に暖房器具やドライヤーなど高出力機器は注意が必要です。
④ 湿気・水対策
床下や洗面所、台所周辺では防水型コンセントの使用や、結露・水漏れ対策を行います。水がかかる可能性のある場所で延長コードを使用しないことが重要です。
⑤ 漏電遮断器・感震ブレーカーの設置
漏電遮断器は感電や火災を防ぎ、感震ブレーカーは地震時に自動で電気を遮断します。特に高齢者世帯や留守がちな家庭では有効です。
配線ショートが発生した場合の対処法
① 直ちに電源を遮断
火花や異臭、煙を感じた場合は、分電盤のブレーカーを落とすことが最優先です。無理に触らず、ゴム手袋や乾いた布越しに操作します。
② 初期火災への対応
小さな火災であれば、消火器や粉末消火剤を使用します。水は感電の危険があるため、通電中は使用しません。
③ 無理な修理はしない
ショートした配線をテープで巻くなどの素人修理は厳禁です。必ず専門業者へ連絡します。
④ 二次被害を防ぐ
火災が拡大する恐れがある場合は、速やかに避難し119番通報を行います。煙を吸わないよう姿勢を低くして行動します。
災害時・停電復旧時の注意点
停電復旧時に、損傷した配線へ一斉に通電されると火災が起こりやすくなります。
・復旧後すぐに家電を使わない
・焦げ臭さがないか確認
・異常があれば再度ブレーカーを落とす
といった慎重な対応が重要です。

「見えない危険」への備えが命を守る
老朽化した配線ショートは、気付いたときには大事故につながっていることがあります。日常点検・設備更新・正しい初動対応を徹底することで、多くの電気火災は防げます。今一度、自宅の電気環境を見直し、安全な暮らしを守りましょう。


