豪雨や台風、河川氾濫、排水不良などによって発生する床下浸水は、見た目の被害が小さくても、放置すると深刻なカビ被害を引き起こします。床下は湿気がこもりやすく、カビが発生・拡大すると健康被害や住宅の耐久性低下にも直結します。ここでは、床下浸水によるカビ被害の予防策と、実際に浸水した場合の正しい対処法を段階的に解説します。

床下浸水によるカビ被害の予防策
① 排水環境の整備と点検
床下浸水の多くは、敷地周辺の排水不良が原因です。
・雨どいの詰まり
・側溝や排水桝の土砂堆積
・敷地の低地化、傾斜不足
これらを定期的に点検・清掃し、雨水が建物周囲に溜まらない環境を整えることが基本です。
② 床下換気の確保
床下は湿気が溜まりやすいため、換気口の確保と機能維持が重要です。換気口が物や土で塞がれていないか確認し、必要に応じて床下換気扇の設置を検討します。特に古い住宅では換気不足がカビの温床になります。
③ 防湿対策
床下の地面が土のままの場合、地中からの湿気が上がりやすくなります。防湿シートや防湿コンクリートを敷設することで、湿気の上昇を抑え、カビの発生リスクを大幅に低減できます。
④ 浸水リスクの把握
自治体のハザードマップで、床下浸水の可能性を事前に確認します。浸水リスクが高い地域では、土嚢の準備や止水板の設置など、事前対策が有効です。
床下浸水が発生した場合の対処法
① まず安全を確保する
床下には電気配線やガス管が通っているため、浸水時は感電やガス漏れの危険があります。床下に入る前にブレーカーを落とし、必要に応じてガスの元栓を閉めます。無理な立ち入りは避け、状況が落ち着くまで待ちます。
② 速やかな排水と乾燥
床下浸水後、最も重要なのは迅速な排水と乾燥です。水が残る時間が長いほど、カビは急速に繁殖します。ポンプによる排水後、送風機や送風乾燥機を使用し、床下全体に風を通します。自然乾燥だけでは不十分なことが多く、専門業者の対応が望ましい場合もあります。
③ 泥・汚れの除去
浸水時には、泥や有機物が床下に残り、カビの栄養源になります。排水後は、可能な範囲で泥を除去し、清掃を行います。汚水が混入している場合は、消毒作業も重要です。
④ 防カビ処理の実施
乾燥後は、防カビ剤や防腐剤を散布し、再発防止を図ります。木材にカビが発生している場合、表面清掃だけでは不十分なことがあり、専門的な処理が必要になることもあります。
床下カビ被害が及ぼす影響
床下のカビは、目に見えなくても、
・アレルギーや喘息の悪化
・シックハウス症候群
・木材腐朽による耐震性低下
といった深刻な問題を引き起こします。特に高齢者や子どもがいる家庭では注意が必要です。
長期的な再発防止策
一度床下浸水を経験した住宅では、同じ場所で再発する可能性が高い傾向があります。排水計画の見直し、換気強化、防湿施工などを組み合わせ、総合的な対策を講じることが重要です。

「見えない被害」こそ早期対応を
床下浸水によるカビ被害は、気づいたときには深刻化していることが少なくありません。「床下だから見えない」と放置せず、早期の点検と対処を行うことが、住まいと健康を守る最大の防災対策です。迅速な行動と継続的な管理が、カビ被害を最小限に抑える鍵となります。


