地震時のブロック塀の倒壊は、通行人や住民を直撃し、命に関わる重大事故を引き起こしてきました。特に2018年大阪府北部地震では、老朽化したブロック塀の倒壊による痛ましい事故が社会問題となりました。ブロック塀は身近な構造物である一方、適切な管理がされていないと大きな危険源になります。ここでは、倒壊を防ぐための予防策と、実際に倒壊した場合の対処法を詳しく解説します。

1.ブロック塀倒壊の予防策
① まずは安全点検を行う
ブロック塀の安全対策は、現状確認から始まります。以下の点が一つでも当てはまる場合、倒壊リスクが高いと考えられます。
・ひび割れや傾きがある
・高さが2.2mを超えている
・控え壁がない、または間隔が広すぎる
・鉄筋が入っていない、または腐食している
・基礎が浅い、または劣化している
目視で異常があれば、早急な対策が必要です。
② 専門家による診断と改修
ブロック塀は建築基準法で構造基準が定められています。建築士やブロック塀診断士など、専門家による診断を受けることで、安全性を客観的に評価できます。補強や撤去、フェンスへの交換など、適切な改修方法を検討しましょう。
③ 高さを抑える・軽量化する
高いブロック塀ほど倒壊時の危険性が高まります。上部を撤去して高さを下げる、またはブロック塀を軽量フェンスや生け垣に変更することで、リスクを大幅に低減できます。
④ 控え壁・鉄筋補強
既存のブロック塀には、控え壁の設置や鉄筋補強によって耐震性を高める方法があります。ただし老朽化が進んでいる場合は、補強よりも撤去・更新が望ましいケースもあります。
⑤ 自治体の補助制度を活用
多くの自治体では、危険ブロック塀の撤去・改修に対する補助金制度を設けています。費用面の不安から放置せず、自治体の窓口に相談することが重要です。
2.ブロック塀が倒壊した場合の対処法
① 近づかない・通らない
倒壊したブロック塀や、今にも倒れそうな塀には絶対に近づかないことが最優先です。余震や人の振動で再崩落する危険があります。通行が必要な場合は、遠回りでも安全な経路を選びます。
② 負傷者がいる場合の対応
倒壊したブロック塀の下敷きになると、骨折や内臓損傷の可能性があります。無理に引き抜こうとせず、意識や呼吸を確認し、出血があれば圧迫止血を行います。頭部や首を負傷している場合は、体を動かさず救助を待つ判断が重要です。
③ 二次災害の防止
倒壊現場の周囲に人が集まると、さらなる事故につながります。可能であればロープや目印で立ち入りを制限し、自治体や警察に通報します。
④ 記録と報告
安全な距離から倒壊状況を写真に残しておくと、保険申請や公的対応の際に役立ちます。道路を塞いでいる場合は、自治体へ速やかに連絡します。

3.「身近な危険」を放置しない意識
ブロック塀は、日常では「ただの境界物」に見えますが、災害時には凶器となります。倒壊事故の多くは、事前点検と対応で防げた可能性が高いとされています。
自宅の塀だけでなく、通学路や通勤路にあるブロック塀にも目を向け、「危ないかもしれない」と感じたら声を上げることが、地域全体の安全につながります。小さな気づきと行動が、災害時の尊い命を守る確かな一歩となるのです。


