地震や台風、突風、爆風などの災害時には、窓ガラスや食器棚のガラス、照明器具などが割れ、ガラスの飛散による負傷が多発します。切り傷だけでなく、深い裂傷や目・顔への損傷につながることもあり、災害時の住宅内事故として非常に危険です。ここでは、ガラス飛散によるケガをした場合の対処法と、事前にできる具体的な予防策について解説します。

ガラス飛散によるケガへの対処法(発災直後)
① まず安全な環境を確保する
揺れや強風が収まっても、周囲には割れたガラス片が散乱しています。素足や薄手の靴下で歩かないことが最優先です。靴やスリッパがない場合は、タオルや衣類を足に巻き、安全な場所へ移動します。無理に片付けを始めると、二次的なケガを招くため注意が必要です。
② 切り傷・裂傷への応急処置
ガラスによる切り傷は、出血が多くなりやすい特徴があります。出血している場合は、清潔なガーゼや布で直接圧迫止血を行います。血が染み出ても布を外さず、上から重ねて圧迫を続けます。傷が深い場合や、皮膚が大きく開いている場合は、無理に洗い流したりせず、止血を優先します。
③ ガラス片が刺さっている場合
ガラス片が皮膚に刺さっている場合、自分で抜かないことが重要です。無理に抜くと出血が増え、傷が悪化する恐れがあります。刺さったままの状態で、周囲を固定し、圧迫止血を行いながら医療支援を待ちます。
④ 目・顔を負傷した場合の注意
目や顔にガラスが当たった場合は特に危険です。目に異物が入った場合、こすらず、洗い流そうと無理に水をかけることも避けます。視界の異常や強い痛みがある場合は、失明のリスクもあるため、速やかに医療機関につなげる必要があります。
⑤ 感染症への配慮
災害時は衛生環境が悪化しやすく、ガラスの切り傷から感染症を起こすことがあります。応急処置後は、可能な範囲で清潔を保ち、後日でも医療機関での処置や破傷風の予防接種の確認が望まれます。
ガラス飛散による負傷を防ぐための予防策
① 飛散防止フィルムの活用
最も効果的な対策は、窓ガラスやガラス扉に飛散防止フィルムを貼ることです。割れても破片が飛び散りにくくなり、切り傷や目への被害を大幅に減らせます。特に寝室、子ども部屋、出入口付近は優先的に対策します。
② 家具・ガラス製品の配置見直し
ガラス扉の食器棚やガラステーブルは、倒れた場合の影響範囲を考えて配置します。人が長時間過ごす場所や、就寝スペースの近くは避けるのが基本です。
③ カーテン・ブラインドの工夫
厚手のカーテンや遮光カーテンを閉めておくことで、ガラスが割れた際の飛散をある程度抑える効果があります。就寝時や強風が予想される際には有効な簡易対策です。
④ 防災用品の備え
割れたガラスから身を守るため、底の厚いスリッパや靴、軍手を常備します。掃除用として、ほうきやちりとり、ガムテープ(細かい破片の回収用)も備えておくと安全です。
⑤ 行動面での予防意識
地震時には、窓やガラス家具の近くから離れ、揺れが収まるまでは低い姿勢を保つことが重要です。慌てて走り出すことが、ガラスによる大ケガにつながるケースも少なくありません。

「割れる前提」で備えることの重要性
ガラスは「割れないようにする」よりも、「割れたときにどう被害を減らすか」を考えることが現実的です。飛散防止フィルムや家具配置の見直しといった小さな備えが、災害時の深刻な負傷を防ぎます。
日常の中でできる対策を積み重ねることが、命を守る最も確実な防災行動と言えるでしょう。


