【大規模災害】情報を行動につなげる意識

情報は見ていたが行動しなかった 避難
スポンサーリンク

大規模災害時に多くの人が命の危険にさらされる背景には、「情報は見ていたが行動しなかった」「状況の深刻さを正しく受け止められなかった」という共通点があります。気象庁や自治体が発信する警報・避難情報は、それ自体が命を守るのではなく、行動に移して初めて意味を持つものです。ここでは「情報を行動につなげる意識」を掘り下げて考えます。

正常性バイアスと同調性バイアス

まず理解すべきなのは、人は災害時に正常性バイアスに陥りやすいという点です。正常性バイアスとは、「これまで大丈夫だったから今回も大丈夫だろう」「自分だけは被害に遭わないはずだ」と無意識に危険を過小評価してしまう心理です。東日本大震災や西日本豪雨、能登半島地震でも、「警報は出ていたが様子を見てしまった」という声が多く聞かれました。情報を行動につなげる第一歩は、「自分も例外ではない」と認識することです。

次に重要なのは、情報を“予報”ではなく“指示”として受け取る意識です。特別警報や避難指示は「起きるかもしれない」ではなく、「起きる前提で行動せよ」という意味を持っています。しかし日常生活では、天気予報が外れる経験を重ねているため、「今回も大げさではないか」と受け止めてしまいがちです。災害情報だけは例外として、「外れてもよいから先に動く」姿勢が必要です。

また、行動につなげられない理由として、何をすればよいか具体的にイメージできないことが挙げられます。「避難してください」と言われても、どこへ、いつ、何を持って行くのかが曖昧だと、人は動けません。そのため、平時から「この情報が出たら、この行動を取る」という行動の紐づけを決めておくことが重要です。例えば、「避難指示=非常持ち出し袋を持って指定避難所へ」「津波警報=高台へ直行」といった単純なルールで構いません。

さらに、時間軸を意識することも行動を後押しします。災害情報は段階的に発表されますが、危険が高まるほど選択肢は狭まり、行動の自由度は失われていきます。早めに動けば徒歩で安全に避難できたものが、判断を遅らせた結果、夜間や悪天候の中で命がけの避難になることもあります。「早く動くほど楽に安全に動ける」という認識を持つことが大切です。

家族や地域との事前の合意形成も、情報を行動につなげる鍵になります。一人では「まだ大丈夫」と思ってしまっても、家族や近隣と「このレベルが出たら必ず避難する」と約束していれば、迷いが減ります。避難行動は個人判断でありながら、心理的には「誰かと一緒」の方が実行しやすいのです。

最後に強調したいのは、完璧な判断を求めないことです。「本当に避難が必要だったのか」「空振りだったら恥ずかしい」という思いが行動を妨げます。しかし、災害時に評価されるべきなのは結果ではなく判断のプロセスです。空振りの避難は失敗ではなく、命を守るための正しい選択です。

指示

情報を行動につなげる意識とは、「信じる」「理解する」だけでなく、「決めておく」「すぐ動く」ことです。日頃から災害情報を自分事として受け止め、行動までを一つの流れとして準備しておくことが、いざという時に命を守る最も確実な備えと言えるでしょう。

写真・画像素材専門庫『ほとくらぶ』スタートページへ

タイトルとURLをコピーしました