落雷は一瞬の出来事ですが、住宅や生活に与える影響は非常に大きく、想定される被害は多岐にわたります。雷というと「火事になる」「感電する」といったイメージが強いかもしれませんが、実際には目に見えにくい被害も多く、気付かないうちに生活基盤が損なわれているケースも少なくありません。ここでは、落雷が発生した場合に実際に想定される主な被害について、分野ごとに説明します。

まず、住宅そのものへの被害です。雷が建物に直接落ちた場合、屋根材や外壁が割れたり、穴が開いたりすることがあります。瓦の破損、屋根アンテナの倒壊、外壁のひび割れなどは比較的多く見られる被害です。直接落雷でなくても、近くの電柱や樹木に落雷した際の衝撃や電流が建物に伝わり、構造部材にダメージを与えることもあります。
次に多いのが、電気設備・住宅設備の被害です。落雷によって発生する過電流や過電圧が電線や配線を通じて住宅内に侵入し、分電盤やブレーカー、配線そのものを損傷させることがあります。これにより、停電が起きたり、一部の部屋だけ電気が使えなくなったりすることもあります。また、給湯器、エアコン、IHクッキングヒーター、太陽光発電設備、インターホンなど、電気を使う住宅設備が故障するケースも多く報告されています。
さらに、家電製品への被害も落雷時には非常に多く見られます。テレビ、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、パソコン、ルーターなどは、雷サージと呼ばれる異常電流の影響を受けやすい代表例です。見た目に異常がなくても、内部の電子基板が損傷し、突然電源が入らなくなったり、動作が不安定になったりすることがあります。
落雷による被害は、通信・情報環境の障害にも及びます。電話回線やインターネット回線が故障し、固定電話やネットが使えなくなることがあります。特に在宅勤務やオンライン学習が増えている現在では、生活や仕事に大きな支障をきたす可能性があります。
また、火災のリスクも無視できません。落雷が原因で屋根裏や配線から出火し、火災に発展するケースも実際に存在します。火が大きくならなかった場合でも、煙やスス、消火活動による水濡れ被害が発生することがあります。
屋外では、樹木や外構設備への被害も想定されます。庭木が裂けたり枯れたりする、カーポートやフェンスが破損する、屋外照明や防犯カメラが壊れるといった被害も起こり得ます。
さらに、人への影響としては、感電や転倒事故の危険性があります。直接雷に打たれなくても、落雷の衝撃音に驚いて転倒したり、屋外で使用していた金属製品を通じて感電するリスクがあります。

まとめると、落雷による被害は、建物の損傷、電気・住宅設備の故障、家電製品の破損、通信障害、火災、屋外設備の被害など、非常に幅広い範囲に及びます。しかも、被害は一見すると分かりにくいことも多いため、雷の後に異常を感じた場合は早めに点検することが重要です。落雷は避けることが難しい自然現象だからこそ、被害を正しく知り、備えを考えておくことが安心につながります。


