北陸豪雨と火災保険

豪雨・水害
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近年、北陸地方でも大雨による洪水や浸水、土砂災害などが発生し、私たちの暮らしに大きな影響を及ぼしています。北陸は雪の多い地域という印象がありますが、夏から秋にかけての集中豪雨も決して他人事ではありません。

実際、北陸地方では過去にも豪雨による大きな水害が発生しており、日本損害保険協会北陸支部も、水害への備えとしてハザードマップの確認と火災保険の水災補償の確認を呼び掛けています。

では、北陸で大雨による被害を受けた場合、火災保険はどこまで役に立つのでしょうか。

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「火災保険だから火事だけ」は間違い

火災保険という名前から、「火事になったときだけ使う保険」と思っている方もいるかもしれません。

しかし、契約内容によっては、台風や強風による風災、落雷、大雪による雪災、そして大雨や洪水による水災なども補償されます。

特に北陸で注意したいのが「水災」です。

河川の氾濫による浸水だけでなく、短時間に大量の雨が降ることで排水が追いつかず発生する内水氾濫や、豪雨による土砂災害なども考えられます。

ただし、火災保険に加入しているからといって、水害が必ず補償されるわけではありません。

契約内容によっては水災補償が付いていない場合もあります。

「大雨の後に雨漏りした」だけでは判断できない

大雨の後に天井から雨漏りが発生すると、「火災保険で直せるのでは?」と考えるかもしれません。

しかし、ここでも重要なのは「被害の原因」です。

例えば、強風によって屋根材が破損し、その破損箇所から雨水が入り込んだのであれば、風災の補償が関係する可能性があります。

一方、屋根の老朽化や経年劣化が原因で雨漏りした場合は、自然災害による損害とは認められず、補償対象外となる可能性があります。

つまり、「大雨の後に壊れた」ことと「大雨によって壊れた」ことは同じではないのです。

水災補償は本当に必要?

「自宅は川から離れているから、水災補償はいらない」

そう考えていませんか?

しかし、水害は河川のすぐ近くでしか起こらないわけではありません。

北陸地方にも、常願寺川、神通川、庄川、小矢部川など、多くの河川があります。国土交通省では、これらの河川について浸水範囲や浸水深などを示す水害リスクマップを公表しています。

また、洪水だけでなく内水氾濫なども含め、自宅周辺にどのようなリスクがあるのかを確認することが重要です。

「今まで浸水したことがない」ことは、「これからも浸水しない」という保証にはなりません。

建物だけでなく「家財」も確認

水害では、建物だけでなく家の中の物も大きな被害を受けます。

テレビ、冷蔵庫、家具、衣類、家電製品などが浸水すれば、生活を立て直すために多額の費用が必要になることがあります。

そこで確認したいのが、火災保険の「保険の対象」です。

建物だけなのか、家財も対象なのか。

ここを確認しておきましょう。

「住宅の火災保険に加入しているから、家の中の物も当然補償される」とは限りません。

被害に遭ったら、まず写真を

大雨によって住宅が被害を受けた場合、最優先するのは命の安全です。

安全を確保した後、可能な範囲で被害状況を写真や動画で記録しておきましょう。

浸水した床や壁、外壁、雨どい、屋根、家財などを、全体と近接の両方から撮影しておくと、被害状況を説明する際に役立ちます。

ただし、浸水した建物や崩れた斜面など、危険な場所へ無理に近づいてはいけません。

また、保険金の請求については、加入している保険会社や代理店へ早めに相談しましょう。日本損害保険協会によると、損害保険の保険金請求に際して、自治体が発行する罹災証明書は原則として提出不要とされています。

「保険金で無料修理」に注意

災害後には、

「火災保険を使えば無料で修理できます」

「保険金が必ず出ます」

などと勧誘する住宅修理業者が現れることがあります。

しかし、保険金が支払われるかどうかを判断するのは保険会社です。

災害直後は不安や焦りから、すぐに修理を依頼したくなります。しかし、契約を急がず、まず保険会社や代理店に相談しましょう。

日本損害保険協会も、「保険が使える」と勧誘する住宅修理業者や、保険金請求を代行する業者とのトラブルについて注意を呼び掛けています。

「防災」と「保険」をセットで考える

大雨への備えは、保険だけではありません。

ハザードマップを確認する。

避難場所や避難経路を確認する。

大雨の際に危険な場所を知っておく。

家族で避難のタイミングを話し合う。

そして、自分の火災保険の補償内容を確認する。

国土交通省も、北陸地方の河川について水害リスクマップや浸水想定図を公開しています。自宅周辺のリスクを知ることは、避難を考えるうえでも重要です。

防災で「命」を守り、保険で「暮らし」を守る。

この二つをセットで考えることが、北陸の豪雨に備えるうえで大切なのです。

「うちは大丈夫」を見直そう

大雨は、いつ、どこで発生するか分かりません。

「これまで被害がなかったから大丈夫」

「川から離れているから安心」

「火災保険に入っているから何とかなる」

こうした思い込みを、一度見直してみましょう。

確認したいのは、

水災補償は付いているか。
建物と家財のどちらが対象か。
免責金額はいくらか。
自宅周辺はどの程度浸水する可能性があるか。

分からないことは、保険会社や代理店に確認してください。

北陸の豪雨から身を守るために必要なのは、災害を恐れることではありません。

「起こるかもしれない」と考え、今のうちに備えること。

そして、いざというときに慌てないために、自分の火災保険が何を守ってくれるのかを知っておくことです。

「加入しているから安心」から、

「補償内容を理解しているから安心」へ。

北陸の大雨に備える第一歩は、今日、自宅のハザードマップと火災保険を一度確認することから始まります。

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