台風は強風・豪雨・高潮を伴い、住宅に深刻な被害をもたらします。中でも「風」による被害は、屋根の破損や飛来物による窓ガラスの破壊など、生活基盤を一瞬で失う危険があります。被害を最小限に抑えるためには、台風が来てから慌てて対応するのではなく、平時からの備えと事前対策が重要です。以下に住宅の風対策を中心に解説します。

まず重要なのは、屋根の点検と補強です。屋根瓦やスレート、金属屋根は、経年劣化や固定金具の緩みがあると、強風で簡単にめくれたり飛ばされたりします。瓦のズレや割れ、釘やビスの浮き、棟板金の固定状態を定期的に点検し、異常があれば早めに修理しましょう。特に築年数が経過した住宅では、専門業者による点検が有効です。
次に、窓・ガラスの風対策です。台風被害で多いのが、飛来物による窓ガラスの破損です。窓が割れると、強風が室内に吹き込み、屋根が持ち上げられるなど被害が拡大します。対策としては、雨戸やシャッターを確実に閉めることが最も効果的です。雨戸がない場合は、飛散防止フィルムを貼る、段ボールやベニヤ板を外側から固定するなどの応急策も有効です。ガラスに養生テープを貼る方法は「破片の飛散防止」にはなりますが、割れにくくする効果は限定的である点を理解しておく必要があります。
三つ目は、外回りの整理整頓です。強風時には、植木鉢、自転車、物干し竿、ゴミ箱などが凶器のように飛ばされます。台風接近前には、これらを屋内や物置に移動させる、固定するなどの対策を必ず行いましょう。カーポートや物置も、基礎や固定具が弱いと倒壊の恐れがあるため、事前の点検が欠かせません。
四つ目は、建物の隙間対策です。換気口や通気口、古いサッシの隙間から風が入り込むと、内部圧力が高まり、屋根や外壁の損傷につながります。防風カバーの設置や、劣化したパッキンの交換など、小さな補修が大きな被害防止につながります。
五つ目として、非常時の室内対策も重要です。万一窓ガラスが割れた場合に備え、カーテンを閉め、割れやすい家具や家電は窓から離して配置します。安全な部屋を決め、強風時はそこに集まることで、けがのリスクを減らせます。
最後に、地域特性を踏まえた備えが欠かせません。沿岸部や高台、風の通り道にある住宅は、特に強風の影響を受けやすいため、自治体のハザードマップや過去の被害事例を確認し、自宅に合った対策を講じることが重要です。

台風の風対策は、一つ一つは地味ですが、積み重ねることで被害を大きく減らすことができます。住宅を守ることは、家族の命と生活を守ることにつながります。日頃から点検と備えを行い、「風に強い住まい」を意識した対策を進めていくことが大切です。


