災害時の子どもの心のケアは、命を守る支援と同じくらい重要です。
子どもは「怖くないふり」をしても、強いストレスを受けています。特に豪雪・地震・水害などで生活環境が激変すると、心身に影響が出やすくなります。

■ なぜ子どもは影響を受けやすいのか
子どもは
- 状況を論理的に理解できない
- 自分のせいだと誤解しやすい
- 不安を言葉にできない
- 大人の表情や態度に敏感
ため、表に出ないストレスを抱えやすいです。
■ 年齢別にみる主な反応
① 幼児(~6歳)
- 夜泣き
- おねしょ
- 甘えの増加
- 親から離れられない
- 以前できたことができなくなる(退行)
これは異常ではなく「正常な反応」です。
② 小学生
- イライラ
- 無口になる
- 頭痛・腹痛
- 学習集中力低下
- 災害ごっこを繰り返す
遊びは「整理行動」の場合があります。
③ 思春期
- 無関心を装う
- 反抗的態度
- 睡眠障害
- SNS依存傾向
- 将来不安の増大
「大丈夫」と言っていてもケアが必要です。
■ 心のケアの基本原則
① 安全と安心の確保
・大人が落ち着いている
・生活リズムを整える
・睡眠・食事を安定させる
まずは環境安定が最優先です。
② 話させようとしない
「怖かったね」と決めつけない。
話したくなったら聞く姿勢。
③ 正しい情報を年齢に応じて伝える
例:
「地震はもう終わったよ」
「今は安全な場所にいるよ」
曖昧な説明は不安を増幅します。
④ 感情を否定しない
×「泣かないの」
○「怖かったよね」
■ 豪雪時特有のストレス
- 外遊びできない
- 停電による不安
- 家族の除雪作業不安
- 閉塞感
特に長期化する雪害では「慢性的ストレス」が問題になります。
対策:
・室内運動スペース確保
・簡単な役割を与える(雪かきの応援など)
・光を確保(停電対策)
■ 避難所での配慮
重要なのは「子どもスペース」。
世界的にも子どもの保護の重要性は強調されており、ユニセフでも子どもの心理的応急処置の必要性が示されています。
避難所で必要なもの:
- 子ども専用スペース
- 絵本・おもちゃ
- 安定した大人の見守り
- 学習支援
■ 心理的応急処置(PFA)
PFA(Psychological First Aid)は専門治療ではなく、
- 安全確保
- 安心させる
- 必要な支援につなぐ
という基本支援です。
これは誰でも実践できます。
■ 注意すべきサイン(専門支援が必要)
- 1か月以上続く強い不安
- 極端な無反応
- 自傷行為
- 食事拒否
- 強い悪夢が継続
その場合は医療・専門機関へ。
■ 大人自身のケアも重要
子どもは大人の不安を映します。
・大人が休む
・情報を制限する
・役割分担する
大人が倒れると子どもも不安定になります。

■ まとめ
子どもの心のケアで大切なのは
- 安全と安心
- 生活リズム
- 否定しない傾聴
- 無理に話させない
- 長期的視点
災害直後よりも、数週間後からの変化に注意が必要です。


