大雪時の脱輪は、積雪や圧雪、凍結によって道路と車両の状況が急激に悪化することで発生します。一度脱輪すると自力での脱出が難しく、渋滞や二次事故、長時間の立ち往生につながるため、事前の備えと正しい対処が非常に重要です。ここでは、大雪時の脱輪を防ぐための対策と、万が一脱輪した場合の対応を体系的に解説します。

大雪時に脱輪が起こりやすい原因
まず、なぜ大雪時に脱輪が多発するのかを理解することが重要です。
・路肩と道路の境界が雪で見えなくなる
・除雪後にできた雪の壁にタイヤが乗り上げる
・圧雪やアイスバーンでハンドル操作が効かない
・視界不良により道路幅を誤認する
特に夜間や吹雪時は、路肩の側溝や段差が完全に隠れ、気付いた時には片側のタイヤが落ちているというケースが多くなります。
2.脱輪を防ぐための事前対策
(1)運転前の準備
大雪が予想される場合は、走行前の準備が重要です。
・スタッドレスタイヤを必ず装着する
・タイヤ溝の深さと空気圧を確認する
・チェーンを携行する
・燃料は常に半分以上を確保する
特にスタッドレスタイヤであっても、摩耗が進んでいると効果が大きく低下します。
(2)走行ルートの選択
・幹線道路や除雪優先路を選ぶ
・山道や生活道路は極力避ける
・通行止め情報を事前に確認する
「近道だから」と細い道に入ることが、脱輪や立ち往生の大きな原因になります。
3.走行中に意識すべき運転のポイント
(1)速度を抑える
低速走行を徹底し、急なハンドル操作や急加速、急ブレーキを避けます。
特にカーブや交差点付近では、通常の半分以下の速度が目安です。
(2)道路中央寄りを走る
除雪が不十分な道路では、路肩が特に危険です。
可能な限り道路中央寄りを走行し、対向車が来た場合のみ慎重にすれ違います。
(3)わだちに注意
一見走りやすく見えるわだちは、深さや幅が合わないとタイヤを取られ、脱輪の原因になります。
無理にわだちを外そうとせず、ハンドル操作は最小限にします。
4.万が一脱輪してしまった場合の対処法
(1)無理にアクセルを踏まない
空転させると、タイヤ周辺の雪や氷が削れて状況が悪化します。
まずはアクセルを離し、落ち着いて状況を確認します。
(2)タイヤ周りの雪を除去する
スコップなどで、駆動輪周辺の雪を取り除きます。
タイヤの前後にスペースを作ることで、脱出しやすくなります。
(3)滑り止めを活用する
・タイヤチェーンを装着する
・砂、猫砂、融雪剤、毛布などをタイヤ下に敷く
摩擦を増やすことが脱出の鍵になります。
(4)人力で押す場合の注意
周囲に人がいる場合でも、無理な体勢で押さないことが重要です。
合図を決め、タイヤの前に人が立たないよう徹底します。
5.自力脱出が難しい場合の判断
以下の状況では、無理をせず早めに救援を要請する判断が重要です。
・片側のタイヤが深く側溝に落ちている
・車体が大きく傾いている
・雪や氷でタイヤが完全に浮いている
無理な脱出は、車両損傷や人身事故につながります。

6.まとめ
大雪時の脱輪対策は、
・事前準備を怠らない
・走行中は路肩を避け、低速・慎重運転
・脱輪時は空転させず冷静に対応
・無理をせず救援を呼ぶ判断を持つ
この4点が基本となります。
脱輪は「運転技術の問題」だけでなく、「環境と判断の問題」でもあります。
最も重要なのは、脱輪しない行動を選ぶことであり、無理をしない判断こそが最大の安全対策です。


