1792年(寛政4年) 雲仙岳噴火(島原大変肥後迷惑)

結論
- 発生年:1792年
- 火山:雲仙岳(長崎県)
- 直接死者数:約15,000人
- 主な死因:
- 眉山(まゆやま)の山体崩壊
- それに伴う巨大津波
日本史上、火山活動に起因する「直接死者数」としては最多です。
「噴火なのに津波?」と思われる理由
雲仙岳の災害は、一般的な爆発的噴火だけでなく、
- 雲仙岳の火山活動が活発化
- 山体(眉山)が不安定化
- 1792年5月21日、眉山が大規模崩壊
- 土砂が有明海に流入
- 巨大津波が発生
という火山活動が引き金となった複合災害でした。
このため正式には
「噴火に伴う山体崩壊・津波災害」
と位置づけられています。
被害の実態
■ 島原側(長崎県)
- 山体崩壊により街や村が埋没
- 多数が即死
■ 肥後側(熊本県)
- 有明海を横断した津波が沿岸を直撃
- 島原よりも熊本側の犠牲者が多かった
■ 合計被害
- 死者・行方不明者:約15,000人
- 家屋流失・埋没:数千棟
なぜ被害がここまで拡大したのか
① 前兆はあったが避難概念がなかった
- 地震や噴気は続いていた
- 当時は「火山=逃げる」という防災意識が存在しなかった
② 山体崩壊という想定外の現象
- 噴火そのものよりも
- 山が崩れることの危険性が理解されていなかった
③ 津波が対岸を襲った
- 被害が一地域にとどまらず
- 広範囲に拡大した
他の日本の噴火災害との比較
| 火山 | 年 | 直接死者数 | 主因 |
|---|---|---|---|
| 雲仙岳 | 1792 | 約15,000人 | 山体崩壊・津波 |
| 浅間山 | 1783 | 約1,400人 | 火砕流・降灰 |
| 御嶽山 | 2014 | 63人 | 噴石・火砕物 |
| 桜島 | 1914 | 58人 | 溶岩・地震 |
桁違いに雲仙岳が突出していることが分かります。

日本の火山防災に残した教訓
雲仙岳の災害は、日本の火山史において、
- 噴火=溶岩・灰だけではない
- 山体崩壊・津波も重大リスク
- 火山周辺だけでなく海を隔てた地域も危険
という重要な教訓を残しました。
この経験は、
- 1991年の雲仙・普賢岳噴火
- 現在の火山ハザードマップ作成
にも強く生かされています。


