結論を先に
- 噴火年:1902年
- 場所:フランス領マルティニーク島
- 直接死者数:約28,000~30,000人
- 死因:火砕流(高温のガスと火山灰)
噴火そのもの(数分~数十分以内)で死亡した人数としては、人類史上最多とされています。

なぜ「直接死者数」で最多なのか
火山災害の犠牲者数には、
- 直接死:火砕流・噴石・溶岩などで即死
- 間接死:飢饉・疫病・寒冷化など後日の影響
があります。
タンボラ火山(1815年)は総死者数が最大ですが、多くは噴火後の飢饉です。
一方プレ―火山は、
ほぼ全員が噴火当日に、噴火現象そのもので死亡
という点で突出しています。
何が起きたのか(1902年5月8日)
■ 噴火前の状況
- 火山活動は活発化していたが
- 「溶岩は出ない」「街は安全」と誤判断
- 避難指示は出されず、港町サン・ピエールに約3万人が滞在
■ 噴火の瞬間
1902年5月8日午前8時頃、突如として
- 時速100km以上
- 温度500~800℃
の**火砕流(ヌエ・アルダント)**が火口から発生。
■ 結果
- 火砕流は数分で街に到達
- 人々は逃げる時間すらなかった
- 建物・船舶・港湾施設が一瞬で壊滅
生存者は数名のみという、極めて異例の惨事となりました。
火砕流の恐ろしさを世界に知らしめた噴火
この災害以前、火砕流の危険性は十分理解されていませんでした。
プレ―火山噴火により初めて、
- 火砕流は「避難不能」
- 見えた時点で逃げても間に合わない
- 温度と速度の両面で致死的
という事実が、科学的・社会的に明確になりました。
他の「直接死者が多い噴火」との比較
| 火山 | 年 | 直接死者数 | 主因 |
|---|---|---|---|
| プレ―火山 | 1902 | 約3万人 | 火砕流 |
| ネバド・デル・ルイス | 1985 | 約2.3万人 | 火山泥流 |
| 雲仙岳 | 1792 | 約1.5万人 | 山体崩壊・津波 |
| ヴェスヴィオ火山 | 79 | 数千人 | 火砕流・降灰 |
瞬間的・直接的犠牲者数ではプレ―火山が最大
現代防災への最大の教訓
プレ―火山噴火が残した最大の教訓は、
- 「前兆があっても、判断を誤れば全滅する」
- 「火砕流は絶対に近づいてはならない」
- 「経済・政治判断が避難を遅らせると命を失う」
という点です。
この教訓は、
- 1991年 雲仙・普賢岳
- 2014年 御嶽山
など、現代日本の火山防災にも直結しています。

まとめ
直接死者が最も多かった噴火は
1902年 プレ―火山噴火(約3万人)
- 噴火当日にほぼ全員が死亡
- 火砕流の恐怖を世界に知らしめた
- 「避難判断の遅れ」が最大の原因
この噴火は、
「火山災害で最も恐れるべきは火砕流である」
という認識を、人類に突きつけた歴史的災害です。


