濃霧が発生するメカニズム

濃霧視界不良の中を運転 濃霧
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濃霧は、視界を著しく悪化させ、交通事故や航空・海上交通の障害、日常生活への影響を引き起こす気象現象です。霧は雲と同じく微細な水滴から成り立っていますが、地表付近で発生する点が特徴です。ここでは、霧がどのようにして発生し、なぜ「濃く」なるのか、そのメカニズムを解説します。

濃霧の国道

霧の正体とは何か

霧とは、空気中の水蒸気が冷やされて凝結し、微小な水滴(または氷晶)が地表付近に浮遊した状態を指します。一般に、視程(見通し距離)が1km未満になると霧と呼ばれ、100m以下になると「濃霧」とされることが多くなります。

霧が発生するための基本条件は、
① 空気中に十分な水蒸気があること
② 空気が冷やされて飽和状態(相対湿度100%)に近づくこと
の2点です。


空気が冷えると霧ができる理由

空気は、温度が高いほど多くの水蒸気を含むことができます。ところが、空気が冷やされると、保持できる水蒸気量が減少します。その結果、余分になった水蒸気が水滴へと変わり、霧が発生します。この「水蒸気が水滴になる温度」を露点と呼びます。

地表付近の空気が露点まで冷やされると、目に見える水滴が多数発生し、視界が悪化します。


代表的な霧の発生メカニズム

濃霧は、主に以下のようなタイプで発生します。

① 放射霧(ほうしゃぎり)

晴れて風の弱い夜に、地面から熱が宇宙へ逃げる「放射冷却」によって地表付近の空気が冷やされて発生します。
・秋から冬に多い
・盆地や平野部で発生しやすい
・朝方に濃くなり、日が昇ると消えやすい
という特徴があります。

② 移流霧(いりゅうぎり)

暖かく湿った空気が、冷たい地面や海面の上に流れ込むことで冷やされて発生します。
・沿岸部や海上で多い
・季節を問わず発生
・広範囲に長時間続くことがある
のが特徴で、海霧や春先の濃霧はこのタイプです。

③ 上昇霧(じょうしょうぎり)

湿った空気が斜面を上昇する際に冷やされて発生します。
山沿いや丘陵地で見られ、地形の影響を強く受けます。

④ 蒸発霧(じょうはつぎり)

冷たい空気の上に、暖かい水面から水蒸気が供給され、急激に冷やされて発生します。
冬の川や湖、海面で見られ、「けあらし」とも呼ばれます。


なぜ「濃霧」になるのか

霧が濃くなるかどうかは、
・水滴の数が多い
・水滴が地表付近に密集している
という条件によって決まります。

風が弱いと霧が拡散せず、その場に滞留します。また、地形的に空気がたまりやすい盆地や谷間では、冷えた空気が流れ込み、霧が濃くなりやすくなります。自動車の排気ガスや工場からの微粒子は、水滴が付着する「核」となり、霧の発生や濃度を高める要因となることもあります。


濃霧が引き起こす影響

濃霧は視界不良により、
・交通事故
・航空機や船舶の運航障害
・農作物への影響(病害の助長)
などを引き起こします。特に早朝の道路では、急に霧に包まれることで重大事故につながる危険があります。


濃霧の車道

おわりに

濃霧は、「湿った空気」と「冷却」という身近な条件が重なることで発生する気象現象です。放射冷却、暖湿気の移動、地形など、複数の要因が絡み合うことで、霧は一層濃くなります。
発生メカニズムを理解することで、濃霧が予想される状況を事前に察知し、交通安全や防災行動につなげることが可能になります。

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