冬季、寒波や放射冷却の影響で道路や歩道、住宅の敷地内が凍結すると、転倒事故が多発します。特に早朝や夜間は見た目では凍結が分かりにくく、いわゆる「ブラックアイスバーン」による転倒が重傷につながることもあります。凍結による転倒は、事前の対策と正しい行動によって大幅に防ぐことが可能です。

凍結による転倒が起こりやすい場所と時間帯
凍結は、気温が0℃前後に下がる夜間から早朝にかけて発生しやすくなります。
特に注意すべき場所は以下の通りです。
・日陰になりやすい道路や歩道
・橋の上や高架道路
・坂道、カーブ
・建物の出入口、玄関先
・駐車場やマンホール周辺
日中に雪や雨が解けても、夜間に再凍結するため、見た目が乾いているように見える場所でも油断は禁物です。
歩行時の転倒防止策
① 歩き方の工夫
凍結路面では「ペンギン歩き」が有効です。
・歩幅を小さく
・重心をやや前に
・足裏全体で着地
することで、滑りにくくなります。急ぎ足や走る行為は厳禁です。
② 手をポケットに入れない
転倒時に手が出ず、頭部や骨盤を強打する危険があります。手袋を着用し、バランスを取れる状態を保ちます。
③ 荷物の持ち方
リュックサックなど両手が空く持ち方が理想です。片手に重い荷物を持つとバランスを崩しやすくなります。
靴・装備による対策
① 滑りにくい靴の選択
靴底が柔らかく、凹凸のあるゴム製のものを選びます。硬い革靴や摩耗した靴底は非常に滑りやすく危険です。
② 滑り止めの活用
市販の靴用滑り止め(スパイク・ゴムバンドタイプ)を装着すると、凍結路面での安全性が大きく向上します。
③ 杖やストックの使用
高齢者は、先端にゴムやスパイクが付いた杖を使用することで、転倒リスクを軽減できます。
家庭・敷地内での凍結防止策
① 事前の雪かき・水はけ対策
日中のうちに雪やシャーベット状の氷を除去し、夜間の再凍結を防ぎます。水が溜まりやすい場所は排水を改善します。
② 砂・融雪剤の散布
玄関先や通路には、砂や融雪剤(塩化カルシウムなど)を散布することで滑り止め効果が得られます。
③ 照明の確保
夜間は凍結箇所が見えにくいため、外灯やセンサーライトを設置し、足元を明るくします。
高齢者・子どもへの配慮
高齢者は骨折リスクが高く、転倒が寝たきりにつながることもあります。
外出時は無理をせず、凍結が予想される日は時間をずらす、送迎を利用するなどの配慮が重要です。
子どもには、走らないことや手をつなぐことを事前に指導します。
事業所・職場での対策
事業所では、出入口や駐車場、通路の凍結対策を徹底します。
・早朝の点検
・融雪剤の常備
・注意喚起表示の設置
など、事故防止のための管理体制を整えることが重要です。
万が一転倒してしまった場合
転倒後に痛みや違和感がある場合は、無理に動かず安静にします。
頭部を打った場合や、強い痛み、しびれがある場合は、すぐに医療機関を受診します。

おわりに
凍結による転倒は「避けられない事故」ではなく、正しい知識と準備で防ぐことが可能です。
歩き方、靴選び、環境整備といった基本対策を積み重ねることで、冬季の安全は大きく向上します。
自分自身だけでなく、家族や地域全体で意識を高め、凍結路面の危険から身を守りましょう。


