冬季に発生する災害の一つに、樹木に雪が付着して重くなり、倒木や枝折れを引き起こす「着雪害」があります。特に気温が0℃前後で湿った重い雪が降ると、樹木への負担が急激に増し、道路寸断や停電、住宅被害など広範な影響をもたらします。着雪による倒木は突然起こるため、平時からの備えと正しい行動が重要です。

着雪による倒木はなぜ起こるのか
着雪害は、乾いた粉雪ではなく、**水分を多く含んだ湿雪(ベタ雪)**が降ることで発生します。湿雪は枝葉に絡みつきやすく、風が弱い状況でも大量に付着します。
さらに、以下の条件が重なると倒木リスクが高まります。
- 気温が氷点下前後で雪が融けにくい
- 風が弱く雪が落ちない
- 葉が残っている広葉樹や常緑樹
- 樹木の老朽化、根の弱り
- 斜面や路肩など不安定な地盤
これにより、枝折れや幹の破断、根返りが起こり、道路や電線をふさぐ倒木被害につながります。
着雪倒木を防ぐための予防策(事前対策)
① 樹木の点検と剪定
最も基本的な予防策は、樹木を健全な状態に保つことです。
- 枯れ枝・弱った枝の定期的な剪定
- 樹冠を軽くして雪の付着を減らす
- 傾きのある樹木の早期対処
特に住宅周辺や道路沿いの樹木は、専門業者による点検・剪定が効果的です。
② 倒木リスクの高い樹木の把握
次のような木は、着雪時に注意が必要です。
- 電線に近い樹木
- 幹が細く高さのある木
- 根元に腐朽や空洞がある木
- 斜面に生えている木
事前にリスクを把握し、必要に応じて伐採や補強を検討します。
③ 住宅・敷地内の対策
- 家屋や車の近くにある木の配置見直し
- 支柱やワイヤーで樹木を補強
- 積雪期前に庭木の整理
特に積雪地域では、「雪を想定した庭づくり」が重要になります。
④ 道路・インフラ管理への協力
倒木は個人の敷地を越えて被害を拡大します。
- 危険な樹木を自治体に情報提供
- 地域での見回り・声掛け
- 私有地と公共地の境界確認
着雪倒木が発生した場合の対処策
① 安全確保を最優先
倒木が発生した直後は、二次被害の危険が非常に高い状態です。
- 倒木や折れた枝に近づかない
- 電線が絡んでいる場合は絶対に触れない
- 夜間・吹雪時の確認は避ける
特に感電事故は命に関わるため、電線関係は専門機関に任せます。
② 速やかな通報と情報共有
- 道路をふさいでいる場合:自治体・警察・道路管理者
- 電線・停電を伴う場合:電力会社
- 住宅被害がある場合:消防・自治体
位置情報を正確に伝えることで、対応が早まります。
③ 自力撤去は慎重に
小枝程度であれば除去可能な場合もありますが、
- 幹が太い
- 雪で不安定
- チェーンソーが必要
といった場合は、無理な作業は厳禁です。雪の重みで突然動くことがあります。
④ 孤立・停電への備え
着雪倒木は、道路遮断や停電を引き起こします。
- 家庭内備蓄の活用
- 暖房・照明の代替手段確保
- 近隣との助け合い
孤立を想定した行動が重要です。
車で遭遇した場合の注意点
- 無理に通過しない
- 引き返す判断を優先
- 停車時は周囲の木にも注意
倒木は一本で終わらず、連続して発生することがあります。

まとめ
着雪による倒木は、湿った雪と樹木の状態が重なって発生する冬特有の災害です。
しかし、
- 事前の点検・剪定
- 危険木の把握
- 発生時の冷静な行動
を徹底することで、被害は大きく軽減できます。
「雪が降った後」ではなく、「雪が降る前」に備えることが、命と生活を守る最大のポイントです。


