台風、爆弾低気圧、竜巻、ダウンバーストなどに伴う強風では、看板、瓦、物干し竿、植木鉢、資材などが飛ばされ、重大な人的・物的被害を引き起こします。実際の被害では、風そのものよりも飛来物が原因で負傷・損壊が起きるケースが非常に多く、事前対策の重要性が指摘されています。

なぜ飛来物が危険なのか
強風時、物体には「風圧」と「浮き上がり」の力が同時に働きます。特に建物の屋根や角、ベランダ周辺では、風の流れが乱れ、予想以上に大きな力が加わります。重さがある物でも、風を受ける面積が大きいと簡単に浮き上がり、高速で飛翔する凶器になります。
瓦や金属片、木片、ガラスなどは、時速100kmを超える速度で飛ぶこともあり、窓ガラスを突き破ったり、人に直撃すると致命傷になりかねません。
飛来物になりやすいもの
事前に把握しておくことが重要です。
- 植木鉢、プランター
- 物干し竿、洗濯ばさみ、ハンガー
- 自転車、ゴミ箱
- すだれ、サンシェード
- 屋外の看板、簡易テント
- 工事用資材、ブルーシート
「普段は動かない」「重いから大丈夫」という思い込みが、被害につながることが多い点に注意が必要です。
事前対策① 屋外の整理・固定
最も基本かつ効果的なのは、屋外にある物を減らすことです。
- ベランダや庭の物は屋内へ移動
- 移動できない物はロープやチェーンで固定
- 自転車は倒して保管、または屋内へ
台風接近前など、時間に余裕がある段階で行うことが重要です。風が強くなってからの作業は非常に危険です。
事前対策② 窓・開口部の防護
飛来物被害で最も多いのが窓ガラスの破損です。
- シャッターや雨戸を閉める
- 防災フィルムをガラスに貼る
- カーテン・ブラインドを閉める
養生テープを「×」に貼るだけでは、割れない効果はほとんどなく、飛散防止フィルムの併用が重要です。
事前対策③ 屋根・外装の点検
飛来物の「加害者」にならない対策も欠かせません。
- 瓦や板金の浮き・ズレを点検
- アンテナ、太陽光パネルの固定確認
- 雨樋や外壁のひび割れ補修
これらは専門業者による定期点検が効果的で、被害拡大防止につながります。
強風時の行動対策
強風が始まった後は、外に出ないことが最優先です。
- 不要不急の外出を控える
- 窓や出入口から離れる
- 屋内では建物の中心部へ移動
屋外で飛来物を片付けようとする行為は、重大事故につながるため絶対に避けてください。
事業所・工事現場での対策
事業所や工事現場では、飛来物リスクがさらに高まります。
- 仮設足場・防護ネットの点検
- 資材の結束・重量物の低位置保管
- 強風時の作業中止基準を明確化
管理責任が問われるケースも多く、事前の安全対策が不可欠です。
被害後の注意点
強風通過後も油断は禁物です。
- 落下物や割れたガラスに注意
- 電線の断線が疑われる場合は近づかない
- 応急処置は安全確認後に実施
保険と記録の重要性
飛来物被害は、火災保険の風災補償対象となる場合が多いです。
- 被害状況を写真で記録
- 応急処置前に撮影
- 早めに保険会社へ連絡

まとめ
強風による被害の多くは、風そのものではなく飛来物によって発生します。
「片付ける・固定する・守る・外に出ない」という基本行動を徹底することで、被害は大きく減らせます。
飛来物対策は、台風や突風が来てからでは遅く、平常時の備えがすべてです。自宅や職場の周囲を一度見直し、「飛びそうな物がないか」を確認することが、命と財産を守る第一歩となります。


