地震や台風、大規模停電などの災害が発生すると、信号機が停止し、交差点が一気に混乱することがあります。信号停止は一見小さなトラブルに思われがちですが、実際には重大事故や二次災害を引き起こす引き金となりやすく、命に直結する問題です。ここでは、災害時に信号が停止した交差点で起こる混乱の実態と、その対策について詳しく解説します。

信号停止時に交差点で起きる主な問題
信号機が止まると、交差点は本来の「交通整理機能」を失います。特に交通量の多い幹線道路や複雑な交差点では、誰が優先なのか分からない状態が生じ、車両・自転車・歩行者が同時に動こうとして危険が増します。
さらに、災害時はドライバーや歩行者が強い不安や焦りを感じており、冷静な判断が難しくなります。その結果、強引な進入、無理な右折、歩行者の飛び出しなどが重なり、接触事故や人身事故が発生しやすくなります。
停電時の交差点における基本ルール
信号機が完全に停止している交差点では、「信号のない交差点」として扱うのが原則です。つまり、
・道路標識(止まれ、優先道路)に従う
・優先道路を走る車両が優先
・右折車は直進車を優先する
といった、普段は意識しにくい基本ルールが重要になります。しかし、日常的に信号に頼っているドライバーほど、この原則を即座に思い出せず、混乱を招きやすいのが現実です。
車両側の具体的対策
① 必ず一時停止・徐行を徹底する
信号が消えている交差点では、「青だったはず」という思い込みは非常に危険です。進入前には必ず減速し、必要に応じて一時停止を行い、左右の安全確認を徹底することが事故防止の基本です。
② アイコンタクトと譲り合い
災害時は交通警察官がすぐに配置されないことも多いため、ドライバー同士の意思疎通が重要になります。アイコンタクトや軽い会釈で「どうぞ」と合図を送り、譲り合いの姿勢を持つことが混乱の緩和につながります。
③ クラクションの乱用を避ける
不安や苛立ちからクラクションを鳴らすと、周囲の混乱をさらに助長します。必要最小限にとどめ、冷静な行動を心がけることが大切です。
歩行者・自転車側の注意点
信号停止時、歩行者や自転車は「車が止まってくれるはず」という前提で行動すると非常に危険です。
・横断前に必ず左右確認をする
・車が完全に停止したことを確認してから渡る
・自転車は原則として車両であることを意識する
といった基本行動が、命を守る行動となります。特に夜間や雨天時は視認性が下がるため、反射材やライトの使用が重要です。
交通警察官・地域による対応の重要性
大規模災害時には、警察官や消防団、地域の協力者が交差点に立ち、手信号による交通整理を行うことがあります。これにより混乱は大きく軽減されますが、すべての交差点に人員を配置することは現実的に困難です。そのため、ドライバー一人ひとりがルールを理解して行動することが不可欠です。
事前にできる備えと意識づけ
災害時の交差点混乱を防ぐには、平常時からの備えが重要です。
・「信号が止まったらどうするか」を家族で話し合う
・免許更新時や講習で基本ルールを再確認する
・地域の危険交差点を把握しておく
といった取り組みは、実際の災害時に冷静な行動を取る助けになります。
二次災害を防ぐという視点
信号停止による事故は、救急車や消防車の通行を妨げる二次災害にもつながります。交差点事故が発生すれば、救助活動全体が遅れ、多くの命に影響を与えかねません。自分だけでなく、社会全体への影響を意識した行動が求められます。

まとめ
災害時の信号停止による交差点混乱への対策は、
① 信号のない交差点として行動する
② 徐行・一時停止と安全確認を徹底する
③ 譲り合いと冷静な判断を心がける
④ 歩行者・自転車も主体的に安全確認する
⑤ 平常時から基本ルールを理解しておく
という点に集約されます。
信号が止まった交差点では、「自分が注意すれば大丈夫」ではなく、「自分の行動が全体の安全を左右する」という意識が重要です。一人ひとりの冷静な行動が、災害時の混乱と事故を防ぐ最大の対策となります。


