地震や豪雨、台風などの災害時には、山間部だけでなく住宅地の裏山や造成地でも**土砂崩れ(がけ崩れ・土石流)**が発生します。土砂崩れは発生すると一瞬で大量の土砂が流れ込み、建物の倒壊や道路寸断、人命被害につながる極めて危険な災害です。ここでは、土砂崩れが起こる前兆、発生時、発生後の対処策を段階ごとに詳しく解説します。

土砂崩れが起こりやすい条件と前兆
土砂崩れは、長時間の雨や短時間の集中豪雨、地震後の余震などで発生しやすくなります。特に地盤が緩んだ状態では、少量の雨でも崩れることがあります。
発生前には、次のような前兆が現れることがあります。
・山や斜面から小石がパラパラと落ちてくる
・斜面に亀裂が入る、地面が盛り上がる
・井戸水や湧き水が急に濁る
・木が傾く、根元が浮く
・地鳴りのような音がする
これらの異変に気づいた場合は、土砂崩れが差し迫っている可能性が高いと考え、直ちに避難行動を取ることが重要です。
土砂崩れ発生の恐れがある場合の対処策
① 早めの避難を最優先する
土砂崩れ対策で最も重要なのは、「早めの避難」です。避難指示や高齢者等避難が出ていなくても、身の危険を感じた時点で自主的に避難する判断が命を守ります。夜間や雨が激しい時間帯は、視界が悪くなり避難が困難になるため、明るいうちの避難が理想です。
② 避難先と避難方向に注意する
避難する際は、土砂の流れる方向と直角方向へ移動し、斜面や谷から離れた高台や堅固な建物を目指します。川沿いや谷底は土石流が流れ込みやすいため避けます。指定避難所が危険な場所にある場合は、無理に向かわず、近くの安全な建物への「垂直避難」も選択肢になります。
発生した瞬間に遭遇した場合の行動
屋内にいる場合
家の中にいる場合は、斜面側から離れ、できるだけ建物の反対側や2階以上へ移動します。窓や雨戸は閉め、頭を守る姿勢を取ります。
屋外・移動中の場合
屋外で土砂崩れに遭遇した場合は、可能な限り斜面から遠ざかり、横方向へ逃げることが重要です。流れに逆らって上流へ逃げるのは困難なため避けます。間に合わない場合は、物陰や岩陰に身を隠し、体を低くして頭部を守ります。
車で遭遇した場合の対処
車で山間部を走行中に異変を感じた場合は、無理に進まず引き返す判断が重要です。前方に土砂が流れ込んでいる場合、車で突破するのは非常に危険です。万一、車が土砂に巻き込まれた場合は、シートベルトを締め、頭を低くして衝撃に備え、状況が落ち着いたら速やかに脱出を試みます。
発生後の注意点
土砂崩れ発生後は、二次災害の危険が非常に高い状態です。雨が続いている場合や余震がある場合は、再び崩れる恐れがあります。安易に現場へ近づかず、行政や消防、警察の指示に従います。
また、土砂に埋まった電線やガス管が破損している可能性があるため、火気は絶対に使用しません。
事前にできる備えと日常の対策
土砂崩れへの対策は、事前の備えが生死を分けます。自宅周辺の地形やハザードマップを確認し、土砂災害警戒区域に該当するかを把握しておきます。また、雨量情報や土砂災害警戒情報に日頃から注意を払うことが重要です。
防災用品はすぐ持ち出せるよう準備し、家族で避難ルールを共有しておきます。

まとめ
災害時の土砂崩れ対処策として重要なのは、
① 前兆を見逃さず早めに避難する
② 斜面や谷から離れる方向へ逃げる
③ 危険を感じたら指示を待たず行動する
④ 発生後は近づかず二次災害に警戒する
⑤ 日頃から地形と避難計画を把握する
という点です。
土砂崩れは「気づいた時には遅い」災害です。早めの判断と行動が、何よりも命を守る最大の対処策となります。


