豪雪時には、高速道路や山間部、都市部の幹線道路でも大規模な立ち往生が発生することがあります。その際、やむを得ず車中泊による避難生活を強いられることがありますが、特に注意しなければならないのが一酸化炭素中毒です。実際に過去の豪雪災害では、車中泊中に体調不良や死亡事故が発生しており、正しい知識と行動が命を守る鍵となります。ここでは、豪雪による立ち往生時の一酸化炭素中毒の防止策と、万一の際の対処策について詳しく解説します。

まず、一酸化炭素中毒が起こる仕組みを理解することが重要です。一酸化炭素は、無色・無臭で気づきにくい気体ですが、エンジンの排気ガスに多く含まれています。通常は車外へ排出されますが、マフラーが雪で塞がれると、排気ガスが車内に逆流しやすくなります。特に吹雪や降り積もる雪の中では、短時間でもマフラーが埋まり、知らないうちに危険な状態になることがあります。
防止策として最も基本的なのは、エンジンをかけたままにしない意識です。暖房のためにエンジンを連続運転するのは非常に危険です。どうしても寒さ対策が必要な場合でも、短時間の運転にとどめ、必ず車外に出てマフラー周辺の雪を除去してからエンジンをかけるようにします。この確認を怠ることが、重大事故につながります。
次に重要なのが、マフラー周辺の定期的な除雪です。立ち往生中は、数十分から1時間おきに車外の状況を確認し、マフラーだけでなく車体下部や周囲の雪を取り除くことが大切です。特に風下側は雪が吹き溜まりやすいため、見た目以上に埋まりやすい点に注意が必要です。
換気の確保も重要な防止策です。エンジンをかける場合は、窓を完全に閉め切らず、必ず数センチ程度開けておきます。ただし、吹雪の中で長時間窓を開けると体温低下のリスクもあるため、エンジン運転は短時間にとどめ、厚着や毛布で寒さをしのぐ工夫が必要です。
また、同乗者同士での声かけ・体調確認も欠かせません。一酸化炭素中毒は、初期症状として頭痛、めまい、吐き気、強い眠気などが現れます。これを「疲労」や「寒さのせい」と誤解すると危険です。定期的に会話をし、反応が鈍くなっていないか、顔色がおかしくないかを確認し合うことで、異変に早く気づくことができます。
さらに、一酸化炭素警報器の携行も有効な対策です。最近では車中泊やアウトドア向けの携帯型警報器も販売されており、音で危険を知らせてくれます。必須ではありませんが、備えておくと安心材料の一つになります。
万一、一酸化炭素中毒が疑われる場合の対処策も知っておく必要があります。少しでも頭痛やめまい、吐き気を感じたら、すぐにエンジンを停止し、可能であれば全員車外に出て新鮮な空気を吸います。雪の状況で車外が危険な場合でも、ドアや窓を全開にして換気を行い、救助要請を行います。意識障害が見られる場合は、ためらわず119番通報を行い、指示を仰ぎます。
また、体調が回復したように見えても、自己判断で再びエンジンをかけるのは危険です。一酸化炭素は体内に残留するため、再発や重症化の恐れがあります。救助が来るまでは、エンジンを止めた状態で防寒対策を行うことが原則です。
まとめると、豪雪時の車中泊避難における一酸化炭素中毒対策として重要なのは、
① エンジンの長時間連続使用を避ける
② マフラー周辺のこまめな除雪
③ 短時間運転と換気の徹底
④ 体調変化を見逃さない相互確認
⑤ 異変時は即停止・換気・救助要請
という点です。

豪雪による立ち往生は、誰にでも起こり得る災害です。正しい知識と冷静な判断が、厳しい状況下でも命を守る力になります。事前の備えと意識づけを、ぜひ日常から心がけてください。


