災害関連死問題を考える

ドクロ 地震・津波
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災害関連死問題とは、地震や豪雨、津波などの災害そのものによる直接的な死ではなく、避難生活やその後の生活環境の悪化が原因で亡くなるケースを指します。日本の災害史において、この問題は年々深刻化しており、「見えにくい被害」として社会的課題となっています。

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災害関連死とは何か

災害関連死は、災害発生後に以下のような要因が重なって生じます。

  • 避難生活による過度なストレス
  • 持病の悪化や治療の中断
  • 栄養不足や脱水
  • 感染症の罹患
  • 低体温症や熱中症
  • 睡眠不足や精神的疲弊

これらが原因となり、災害発生から数日、数週間、場合によっては数か月後に死亡するケースも含まれます。外見上は「自然死」に見えることも多く、実態が把握されにくい点が特徴です。


実際の災害での事例

東日本大震災

東日本大震災では、津波などによる直接死を上回る数の災害関連死が認定されました。特に高齢者が多く、長期の避難生活による体調悪化、肺炎、心疾患の悪化などが多く報告されています。

避難所の寒さ、栄養の偏った食事、十分に確保できない医療体制が、命を縮める要因となりました。

熊本地震

熊本地震では、前震・本震が続いたことによる恐怖から、長期間の車中泊を選ぶ人が多く、エコノミークラス症候群や循環器系疾患による災害関連死が問題となりました。これは「避難の仕方」そのものが命に影響することを社会に強く印象づけました。

能登半島地震

能登半島地震では、高齢化が進んだ地域特性により、避難生活中の体調悪化や医療アクセス不足が課題となり、災害関連死への懸念が早い段階から指摘されました。


なぜ災害関連死は防ぎにくいのか

災害関連死が発生しやすい理由には、以下の構造的問題があります。

  • 災害対応が「命の救助」に集中し、その後の生活支援が後回しになる
  • 避難所の環境が人の健康維持を前提に設計されていない
  • 高齢者や持病を持つ人への個別対応が難しい
  • 被災者自身が「我慢」して体調不良を訴えにくい

また、災害関連死の認定には自治体の審査が必要であり、遺族の申請がなければ表面化しないケースも少なくありません。


災害関連死を減らすための対策

近年、災害関連死を減らすため、以下のような取り組みが重要視されています。

  • 発災直後からの保健師・医療チームの介入
  • 避難所の過密回避と生活環境の改善
  • 水・食事・トイレ・睡眠の質の確保
  • 持病のある人の薬・治療継続支援
  • 車中泊避難者を含めた健康状態の把握
  • 心理的ケアや相談体制の整備

「生き延びた後をどう守るか」という視点が不可欠です。


災害関連死問題の本質

災害関連死は、単なる不運ではなく、社会の備えや対応次第で減らせる死です。裏を返せば、避難所運営や支援体制が不十分であれば、被害は拡大します。

近年の災害では、「避難所の質」や「生活支援の速さ」が、そのまま生存率に影響することが明確になってきました。


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まとめ

災害関連死問題は、「災害が終わった後に始まるもう一つの災害」とも言えます。直接的な被害が注目されがちですが、真に問われるのは、その後の避難生活を人間らしく維持できるかどうかです。

過去の災害で得られた教訓を活かし、命を守る防災を実現するためには、災害関連死を「仕方のないもの」とせず、社会全体で向き合い続ける必要があります。

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