高波・高潮が発生した場合、沿岸部では短時間のうちに重大な被害が生じるおそれがあります。そのため、事前の備えと発生時の適切な行動、さらに発生後の対応までを一連の対処策として理解しておくことが重要です。以下では、高波・高潮が発生した場合の具体的な対処策について、段階ごとに詳しく説明します。

まず重要なのは事前の備えと心構えです。高波や高潮は主に台風や発達した低気圧の接近によって発生するため、気象情報を日頃から確認する習慣を持つことが基本となります。気象庁が発表する注意報・警報、高潮警報、波浪警報などに注意し、早い段階で危険を察知することが重要です。沿岸部に住んでいる場合は、ハザードマップを確認し、自宅や職場、学校が浸水想定区域に含まれているかを把握しておく必要があります。また、避難場所や避難経路を家族で共有し、非常持出品を準備しておくことも欠かせません。
次に、高波・高潮が予想される段階での対処です。警報や避難情報が発表された場合は、「まだ大丈夫だろう」と自己判断せず、早めに行動することが重要です。海岸や防波堤、港湾施設、河口付近には絶対に近づかないようにします。高波は予想以上の高さになることがあり、突然大きな波にさらわれる危険があります。また、高潮が起きると海水が一気に流れ込むため、車での移動は避け、徒歩で安全な場所へ移動する判断が必要です。
実際に高波・高潮が発生した場合の行動として最も重要なのは、速やかな避難です。沿岸部や低地にいる場合は、できるだけ早く高い場所へ移動します。水平避難が難しい場合には、鉄筋コンクリート造の建物の上階など、より安全な場所へ垂直避難を行います。浸水が始まってからの避難は非常に危険であるため、浸水前に避難を完了させることが理想です。夜間や停電時は足元が見えにくくなるため、懐中電灯などを活用し、側溝やマンホールへの転落にも注意が必要です。
屋内にいる場合でも油断は禁物です。高潮によって海水が建物内に流れ込むと、家具や家電が浮き、思わぬ事故につながることがあります。避難が間に合わない場合は、できるだけ上階へ移動し、窓や扉から離れた安全な場所で救助を待つようにします。無理に外へ出る行動は命の危険を高めるため避けるべきです。
高波・高潮が収まった後の対応も重要です。一見安全に見えても、堤防や護岸が損傷していたり、道路が崩れていたりする可能性があります。むやみに海岸へ近づかず、行政や消防などの指示に従うことが必要です。また、浸水した建物では感電やガス漏れの危険があるため、電気やガスの使用には十分注意します。汚水や海水に触れた場合は、感染症予防のため手洗いや消毒を徹底することも大切です。

このように、高波・高潮への対処策は「早めの情報収集」「迅速な避難」「安全確保後の慎重な行動」が基本となります。自然現象そのものを止めることはできませんが、正しい知識と冷静な行動によって被害を最小限に抑えることは可能です。日頃から防災意識を高め、いざという時に命を守る行動が取れるよう備えておくことが、何よりも重要といえるでしょう。


