近年、日本では台風や爆弾低気圧、集中豪雨、大雪などにより強風や着雪が発生し、倒木による停電被害が各地で相次いでいます。電線や電柱の近くで木が倒れると、広範囲かつ長時間の停電につながり、日常生活や医療・産業活動に深刻な影響を及ぼします。ここでは、倒木による停電を防ぐための予防策と、実際に停電が起きた際の対処策について解説します。

倒木による停電が発生する原因
倒木停電の主な原因は、強風による幹折れ・根返り、積雪や着雪による重量増加、長年の樹木の老朽化などです。特に、電線沿いに生育した樹木は、風の影響を受けやすく、枝葉が電線に接触するだけでも停電が発生します。また、山間部や住宅地の境界、空き地などでは管理が行き届かず、倒木リスクが高まる傾向があります。
倒木による停電の予防策【行政・事業者】
① 樹木の計画的な伐採・剪定
電力会社や自治体は、送電線や配電線の周囲にある樹木を定期的に点検し、接触や倒木の恐れがある木を事前に伐採・剪定することが重要です。特に台風シーズン前や積雪期前の対策が効果的です。
② 倒木リスクの高いエリアの把握
過去に倒木被害が多発した地域や、地盤が緩い斜面、老木が多い地域を重点管理区域として指定し、優先的に対策を講じます。
③ 設備の強化・地中化
電柱や電線の耐風・耐雪性能を高めること、また都市部では電線の地中化を進めることで、倒木の影響を受けにくい電力網を構築できます。
倒木による停電の予防策【家庭・地域】
① 自宅周辺の樹木管理
自宅敷地内や隣接地にある樹木は、定期的に剪定し、枯れ枝や傾いた木は早めに対処します。電線に近い場合は、無理に自分で切らず、専門業者や自治体に相談することが大切です。
② 地域での見守りと情報共有
自治会や町内会で危険木の情報を共有し、行政に報告する体制を整えることで、被害の未然防止につながります。
③ 防災備蓄の充実
倒木停電は復旧に時間がかかる場合があります。懐中電灯、乾電池、モバイルバッテリー、カセットコンロ、ラジオなどを備蓄しておくことが重要です。
倒木による停電が発生した場合の対処策
① 倒木・切れた電線に近づかない
停電時、道路や敷地内に倒木や切れた電線を見つけても、絶対に近づいてはいけません。感電の恐れがあるため、安全な距離を保ち、速やかに電力会社や自治体へ通報します。
② 正確な情報収集
スマートフォンや携帯ラジオを使い、停電情報や復旧見込みを確認します。デマや不確かな情報に惑わされないよう注意が必要です。
③ 家庭内での安全確保
ロウソクの使用は火災の原因になるため避け、懐中電灯やLEDランタンを使用します。冷蔵庫の開閉を最小限にし、食品の傷みを防ぐ工夫も重要です。
④ 高齢者・要配慮者への配慮
地域で声を掛け合い、医療機器を使用している人や高齢者が困っていないか確認します。必要に応じて避難所や支援制度の利用を検討します。
復旧後に行うべきこと
停電が解消した後も、家電製品の安全確認やブレーカーの点検を行い、異常があれば使用を控えます。また、倒木原因となった樹木や環境を見直し、再発防止策を検討することが大切です。

おわりに
倒木による停電は、自然現象が引き金となるものの、日頃の樹木管理や備えによって被害を軽減できます。行政・事業者・地域・家庭がそれぞれの立場で役割を果たし、「事前の予防」と「冷静な対処」を徹底することが、停電に強い社会づくりにつながります。


