大規模災害が発生すると、地震・豪雨・大雪などをきっかけに路線バスが一斉に運行停止となり、多くの人が帰宅困難に陥ります。電車と違い代替手段が少ない地域では、生活や安全に直結する深刻な問題です。ここでは、災害時にバスが止まった場合の具体的な対処策と、事前に備えておくべき行動・準備を、実際の被災事例を踏まえて詳しく解説します。

なぜ災害時にバスは止まるのか
バス運行停止の主な理由は、
・道路の亀裂、陥没、冠水、土砂流入
・信号機停止による交通混乱
・余震や二次災害の危険
・運転手の安全確保
などです。
東日本大震災や能登半島地震でも、道路状況が把握できない段階で全面運休となり、復旧まで数日を要した地域もありました。
バス運行停止直後に取るべき行動
① 無理に歩いて帰らない
最も重要なのは、すぐに帰宅しようとしないことです。
長距離徒歩は、転倒・体力消耗・余震被害に遭うリスクが高く、実際に帰宅途中で負傷する例も多く見られました。
② 正確な情報を確認する
・バス会社公式サイト
・自治体の防災情報
・ラジオ、防災無線
SNSの未確認情報は混乱を招くため、一次情報を優先します。
③ 現在地の安全確保
駅・商業施設・公共施設など、耐震性の高い場所へ移動し、無理に屋外を移動しないことが基本です。
帰宅困難者向け支援を活用する
多くの自治体では、以下の支援体制が整備されています。
① 一時滞在施設
学校・体育館・公民館・企業施設などが、帰宅困難者の一時受け入れ場所として開放されます。
飲料水、簡易毛布、トイレが確保されることが多く、体力温存に役立ちます。
② 職場・学校に留まる判断
企業や学校には「むやみに帰宅させない」方針が定められている場合があります。
これは安全確保のためであり、正しい判断です。
夜間・悪天候時の特別な注意点
夜間や寒冷期、豪雨時は、
・低体温症
・視界不良による事故
・犯罪リスク
が高まります。
徒歩移動は極力避け、その場で待機する勇気が命を守ります。
事前にできる備え(最重要)
① 帰宅困難対策セットの携行
常に以下を持ち歩くことが推奨されます。
・飲料水(500ml×1〜2本)
・行動食(チョコ・ナッツ・羊羹など)
・モバイルバッテリー
・防寒具、雨具
・簡易トイレ
② 家族・職場とのルール共有
「災害時は無理に帰らない」
「〇時間連絡が取れなければ安否確認」
といったルールを事前に決めておきます。
③ 代替ルートを把握しておく
普段利用するバス路線だけでなく、
・徒歩圏内の鉄道
・避難可能な公共施設
を事前に把握しておくと判断が早まります。
地域で助け合う視点も重要
大規模災害では、個人の力には限界があります。
職場・地域・商業施設が連携し、
・休憩場所の提供
・情報共有
・高齢者や障害者への配慮
を行うことが、被害の拡大を防ぎます。

「帰れない」は失敗ではない
災害時に帰宅できない判断は、命を守る正解な選択です。
バス運行停止は想定外ではなく、想定すべき日常の一部です。
正しい知識と備えを持ち、落ち着いて行動することで、帰宅困難は「危機」から「管理できる事態」へと変わります。
日頃からの準備こそが、最大の対処策なのです。


