真夏の日本では、屋外だけでなく室内でも熱中症が多発しています。特に高齢者や子ども、一人暮らしの方では「家の中だから大丈夫」という油断が命に関わる事態を招きかねません。ここでは、室内で起こる熱中症の仕組みを踏まえたうえで、具体的な予防策と、万一発症した場合の正しい対処法を詳しく解説します。

室内でも熱中症が起こる理由
室内熱中症の主な原因は、高温・高湿度・無風の三つが重なることです。日本の夏は湿度が高く、汗が蒸発しにくいため、体温調節がうまくいきません。特に次のような環境では危険性が高まります。
・エアコンを使っていない、または我慢している
・夜間の気温が下がらず、寝苦しい状態が続く
・西日が差し込む部屋、断熱性の低い住宅
・高齢者で暑さを感じにくい
・水分摂取が少ない
就寝中に発症し、気付いたときには重症化しているケースも少なくありません。
室内熱中症の予防策
① エアコンを適切に使う
最も重要なのは我慢せずエアコンを使うことです。室温は目安として28度以下、湿度は50〜60%を目標にします。冷えすぎが心配な場合は、除湿機能や扇風機を併用し、空気を循環させると体への負担が減ります。
② こまめな水分・塩分補給
のどが渇く前に、少量ずつこまめに水分補給を行います。汗をかく場合は、水だけでなくスポーツドリンクや経口補水液で塩分も補います。高齢者や子どもには、周囲が声をかけて促すことが大切です。
③ 室内環境の工夫
遮光カーテンやすだれで直射日光を遮り、日中は窓を閉めて外気を入れすぎないようにします。夜間や早朝の涼しい時間帯に換気を行うことで、室内の熱を逃がせます。
④ 服装と寝具の調整
通気性・吸湿性の良い服装を選び、寝具も夏用のものに切り替えます。首元や脇、太ももなどを冷やす冷却グッズも有効です。
⑤ 見守りと声かけ
高齢者の一人暮らしでは、家族や近隣による定期的な安否確認が重要です。「エアコンを使っているか」「水を飲んでいるか」を日常的に確認します。
室内で熱中症が疑われる場合の対処法
① すぐに涼しい環境へ移す
エアコンの効いた部屋に移動させ、衣服を緩めて体を休ませます。
② 体を冷やす
首、脇の下、太ももの付け根など、太い血管が通る部分を冷やします。保冷剤や冷たいタオルが有効です。
③ 水分・塩分を補給
意識がはっきりしていれば、経口補水液などを少しずつ飲ませます。無理に飲ませないことが重要です。
④ 重症の兆候があれば救急要請
意識障害、呼びかけへの反応が鈍い、けいれん、高体温が続く場合は、ためらわず119番通報します。

「室内だから安全」という思い込みを捨てる
室内熱中症は、予測でき、防げる災害です。特別な環境でなくても、日常の暮らしの中で起こります。エアコンの適切な使用、水分補給、周囲の見守りを徹底することで、多くの命を守ることができます。真夏は「室内こそ危険」という意識を持ち、早めの対策を心がけることが何より重要です。


