商店街や事業所、住宅の敷地内などに設置された看板は、集客や案内に欠かせない一方、地震や強風時には落下・倒壊によって人命に直結する危険物となります。過去の地震や台風では、看板の落下により負傷者が出た事例が繰り返し報告されています。ここでは、地震・強風による看板落下事故を防ぐための予防策と、万一落下・異常が発生した場合の正しい対処法を、管理者・利用者双方の視点から解説します。

看板落下事故が起こる主な原因
看板が落下・倒壊する原因は、次のような要素が重なって発生します。
・地震の揺れによる固定部・溶接部の破断
・台風や突風による風圧荷重の増大
・経年劣化によるボルト・金具のサビ、緩み
・看板本体の重量増(雨水浸入、内部腐食)
・設置基準を満たさない簡易施工
特に築年数の古い建物では、設置当時の基準が現在より緩く、危険性が高いケースがあります。
看板落下を防ぐための予防策
① 定期点検と記録の徹底
看板は**「設置したら終わり」ではありません**。年1回以上、台風前後や地震後には臨時点検を行い、
・ボルトの緩み
・溶接部の亀裂
・サビや腐食
・傾きや異音
を確認します。点検結果を記録として残すことが重要です。
② 固定方法の強化
壁面看板や突出看板は、アンカーボルトの増設や補強金具の追加、耐震ブラケットの設置で安全性を高めます。屋上看板では基礎コンクリートの健全性確認が不可欠です。
③ 軽量化と風対策
看板の軽量化は落下リスク低減に直結します。不要に大きい看板はサイズを見直し、風を逃がすメッシュ構造や通気孔のある設計も有効です。
④ 法令・条例の確認
屋外広告物は、自治体の屋外広告物条例の対象です。設置基準・点検義務・管理者表示などを遵守し、無許可・無点検の看板を放置しないことが重要です。
⑤ 荒天前の事前対応
台風や強風予報が出た場合、
・仮設看板の撤去
・のぼり旗・簡易掲示物の取り外し
・照明器具の固定確認
など、事前行動が被害防止につながります。
看板に異常が見られた場合の対処法
① 近づかず、立ち入りを制限
傾きや異音、揺れが見られる場合は、看板の下に近づかないことが最優先です。カラーコーンやロープで立ち入りを制限します。
② 使用を停止し、専門業者へ連絡
照明付き看板は通電を止め、速やかに看板業者や建築士へ点検・修理を依頼します。自己判断での補修は危険です。
③ 落下事故が起きた場合
負傷者が出た場合は119番通報を行い、二次落下の危険を避けつつ救護します。状況を写真等で記録し、管理者・警察・保険会社へ連絡します。
地震・災害後の注意点
地震直後は外見上問題がなくても、内部損傷が発生している可能性があります。
・余震が続く間は看板下に立ち入らない
・復旧前に必ず点検を行う
・夜間照明の点灯は安全確認後
慎重な対応が二次被害を防ぎます。

「管理責任」が命を守る
看板の落下事故は、防げたはずの人災になることが少なくありません。定期点検・適切な補強・迅速な初動対応を徹底することで、看板は安全な広告物として機能し続けます。利用者と管理者の双方が危険意識を持ち、日頃から備えることが、街と人の命を守る最善策です。


